狭山養生鍼灸院

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腰の症状

椎間板ヘルニア、脊柱管狭搾症、脊椎分離症、脊椎すべり症、等についての解説記事をご紹介しています。

「腰痛 (1)」

 お灸はいろいろな疾患に本当によく効きますがやはり痛みに関する疾患にすえられる場合が多いものです。腰痛にもこれほどよく効くものはありません。

 お灸といっても、私がお勧めするのは『八分灸(はちぶきゅう)』です。八分灸は、もぐさが八分くらい燃えたときにつまみ消す方法で、熱くなく、アトも全く残らないのに大きな効果があります。

“痛み”疾患に即効あるお灸

 お灸について、世間には誤解があります。『灸』という字は『火』がくっついたもので長期間すえつづけて効果が出てくる、ともっともらしく説明する人がいます。これは間違いです。

 痛みに関しては即効性があります。事実、ギックリ腰の時など、杖にすがって来た人が、杖を忘れて帰ってしまった、という例はしばしば見られます。

 世間では、腰痛の原因を骨の異常に求める見方がありますが、それはほんの一部であって、大部分は靭帯(じんたい)というスジの問題です。そのことを、ギックリ腰で見ましょう。

☆         ☆

 図の@は骨盤のいちばん上のところで、腸骨稜(ちょうこつりょう)といいます。背中の筋肉は上方では肋骨に付着して始まり、降りてきて下方ではこの腸骨稜に付着して終わっています。

 この腸骨稜への付着部分で、筋肉は硬化し、弾力を失いがちです。朝、洗面台でかがみこんだりすると、背筋は伸ばされますが、硬化しているとスムーズに伸びてくれず無理に引張られ、腸骨稜への付着部で肉離れが生じます。

 これがギックリ腰の本態です。ここにお灸をすえると筋肉は直ちに柔らかくなり、スムーズに伸びて痛みが解消するのです。

「ホームタウン」‘03年6月13日号 掲載
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「腰痛 (2)」

 腰痛に、お灸ほどよく効くものはありません。それは、急性腰痛(ギックリ腰)にも慢性の腰痛にも、ともに言えることです。

 いつも述べているように、お灸には長い歴史があり、いろいろなすえ方が開発されています。私がお勧めするのは、平安貴族がすえていた、“八分灸”です。これは、もぐさが八分くらい燃えた、アトも全く残らないのに大きな効果があります。これなら十二単(じゅうにひとえ)を来た平安貴族の女性にも、似つかわしいものです。

坐ってすえる方法も

 さて、腰にお灸をすえると聞くと、うつ伏せに寝てすえるものと思われるかもしれませんが、坐ってもらってすえたり、たまには立ってもらってすえることも多いのです。

 図は、ベッドに坐ってもらってすえているところです。この方が、よく効く場合が多いのです。なぜでしょうか。

 一般に、痛みの疾患には、筋肉や靭帯を緊張させてすえた方が、ゆるんでいる時より効果が大きいのです。腰の筋肉も、寝るより坐ったり立ったりした方が緊張します。なぜ、緊張した方が効果が大きいのか、その理由はわかりません。でも、事実として効果がはるかに大きくなるのです。

 あらゆる技術の現場には、理由はわからないが、こうした方がよいということが沢山あります。『こつ』や『勘』あるいは現場の知恵といったものです。

 お灸の何千年という歴史の中には、現場の知恵が沢山あります。

「ホームタウン」‘03年6月27日号 掲載
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「腰痛 (3)」

 急性腰痛(ギックリ腰)にも慢性の腰痛にも、八分灸ほどよく効くものはありません。昔から、痛みの疾患にはお灸がよいというのは定説になっており、仏教とともに伝来したお灸が今日まで続いてきたのです。だから、お灸を試さずしてあきらめるのはもったいないことです。

 八分灸は、もぐさが八分くらい燃えた時につまみ消す方法で、熱くなく、アトも全く残らないのに大きな効果があります。

ツボを「面」と考える

 ここで、読者からの質問にお答えします。

 その第1は、そんなゆるい刺激の八分灸で、どうして大きな効果が出るのか、ということです。

 世間では、ツボを『点』として考えています。私は狭い範囲の『面』としてとらえています。押して痛い所、つまり面をツボと考えますと、その中にはたくさんの灸点をつけることになります。それぞれの点には2回ずつしかすえませんが、点がたくさんあるので全体としては大きな刺激量になるのです。つまり、一点にかかる熱さをまわりに分散していると考えられるでしょう。図は横向きに寝てすえているところです。

 第2の質問は、前回説明したような、立ったり、坐ったりしてすえると、もぐさが落ちてしまうのではないか、ということです。皮膚に水をぬってからもぐさをおくと、立った状態で垂直になった腰の皮膚からも、もぐさは落下しません。極端にいうと、我々は、下から天井へも施灸できます。
歴史の古さは常識破りの技術を伝えています。

「ホームタウン」‘03年7月11日号 掲載
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「腰の痛み」

 腰の痛みには“八分灸”がよく効きます。

 八分灸は、もぐさが八分くらい燃えて、熱さを感じるか感じないかのその一瞬に、燃えているもぐさをつまみ消しながら皮膚から取り去ります。ですから、熱さをほとんど感じません。また、アトも全く残りません。それでいて、大変大きな効果があります。

 腰痛の場合、八分灸をすえるのは、ベッドにすわってもらい、骨盤の一番上の部分で腸骨稜(ちょうこつりょう)というところです。ここが一番大切で、後は図の斜線部で圧痛の強い所にすえます。

坐ってすえると効果増大

 ところで、すえる時の姿勢として、坐ってすえることが絶対に重要です。寝た姿勢ですえたのとは、格段に効果が違います。一般に、筋肉を緊張させた姿勢ですえると弛緩している場合より効果が大きいのです。もちろん、寝ている時より坐っている方が、腰の筋肉は緊張しています。

 ある時、腹痛の患者さんが来院され、寝ることができないので、立ったまま八分灸をすえたところ、すぐに大きな効果が出て腹痛が止まりました。このことが私の潜在意識として残っていたのでしょう。しばらくして『お灸教室』で受講生から、腰痛でベッドに寝ることのできない人にどうやってすえるのか、と質問を受けました。とっさに、無意識のうちに「坐った姿勢ですえたらよい」と応えていました。実際、坐ってすえると、腰痛に劇的な効果が現れ、以後私の所では坐ってすえることが定着しました。

「ホームタウン」‘04年6月25日号 掲載
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「腰痛の原因」

 腰痛には八分灸ほどよく効くものはありません。

 八分灸とは、もぐさが八分くらい燃えたときにつまみ消す方法で、熱くなく、アトも全く残りません。それでいて大きな効果があります。

 さて、本年11月29日の読売新聞に腰痛に関する記事がありましたので、その一部を枠で囲って示しました。

 腰には5個の骨(椎(つい)骨(こつ))が上下に重なっており、その骨と骨の間に椎間板(ついかんばん)という軟骨がはさまっています。その椎間板が所定の位置からとび出し、周囲の神経や筋肉等を圧迫して痛みやしびれを生じさせるといわれているのが椎間板ヘルニアです。その他、脊椎管狭さく、腰椎すべり症といった病名のつくのもあります。

主な原因は筋肉の硬化

 一般に腰痛の原因はこれら骨(硬骨と軟骨)の問題といわれてきました。しかし、記事にあるとおり、無症状の人でも3割にヘルニアがあり、症状のある人でも半数近くが骨に異常がないということです。つまり、骨の異常と腰痛とには、あまり大きな関係はないということです。

 実際、ヘルニア等の患者さんも、八分灸をすえているとほとんど治ってしまいます。腰痛の主原因は骨の問題ではなく、筋肉の硬化です。八分灸は筋肉を柔らかくしてよく伸びるようにして無理をなくし、痛みを除去します。
 

「ホームタウン」‘05年12月16日号 掲載
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