狭山養生鍼灸院

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その他

「基礎体力増強と灸」

 がんの三大治療法として、手術・抗がん剤・放射線治療が行なわれています。しかしこれらは、大なり小なり患者の基礎体力の低下を招きます。一方お灸は、がんの再発防止、生活の質向上に、大きな威力を発揮します。基礎体力は『自律神経系』『内分泌系』『免疫系』に分けて考えられます。もちろんこれらは互いに関係し合っていますが。

昔から、お灸をすえていると病気になりにくく、ぼけずに長生きすると言われてきました。だからこそ何千年もお灸が続いてきたのです。ちょっと例をあげましょう。

お灸で免疫力増強

(1)お灸の研究家でありご自身お灸をすえ続けた原志免太郎博士は、108歳まで長生きし、男性長寿日本一になられました(1991年)。
(2)三代将軍徳川家光は『慶安触書』(当時の法律)の中で「年中お灸をすえて病気を予防せよ」と言っています。当時の法律にまで書かれていることには、大きな意味があります。
(3)俳人松尾芭蕉もお灸をすえ続けて『奥の細道』の旅を実行できました。
(4)幕末の高官、鳥居耀蔵も政争に敗れ、丸亀藩で幽閉の生活を20年間もおくり、明治維新で釈放され、結局77歳まで長生きしました。これもお灸をすえていたからです。幽閉生活では、3年以内に亡くなっているのが普通です。 最近、研究がすすんできて、お灸で免疫力が増大することがわかってきました。関西鍼灸大学の笠原由紀さんと栗原恒一さんの研究をのせます。

お灸をすえて、免疫をになう各種白血球の働きが増大することを、その活性物質インターフェロンガンマの数値大幅上昇で立証しました。

「ホームタウン」‘08年8月1日号 掲載
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「松本清張多作の秘密」

作家・松本清張を語るとき、みな一様に驚くのはその多作ぶりです。ジャンルも推理小説から歴史考察にいたるまで、多岐にわたります。 新聞、週刊誌、月刊誌等での連載を同時に進め、その上に書き下ろしもするということで、これでは一日の大半を書斎に釘付けといった状態です。もちろん単に書くだけでなく、資料の読解もしなければなりません。しかも驚くことに、44歳で芥川賞を得て以来、82歳で亡くなる直前までこんな生活をずっと続けたということです。

肩こり・腰痛は?
「ホームタウン」‘08年5月23日号 掲載

普通の人がこの事実を聞いたら、どんなに肩がこったことだろう、どんなに背中や腰が痛んだことだろうと心配になります。ところが彼はこれを回避していたのです。北九州市松本清張記念館を訪ねれば、その秘密がわかります。それは彼の机にあります。写真を見て下さい。水平ではなく、斜めになっているのです。 この斜めの上に資料を置いて読み、また斜めの上に原稿用紙を置いて執筆をしたのです。 なお、万年筆はモンブランを使用していました。また、多くの文士がしたように和机に正座またはあぐらで書いたのではなく、洋式のイスにかけていたのです。 ではなぜ、こういうことがよいのでしょうか。それは姿勢が崩れず、正しい姿勢がいつまでも保てるからです。つまり、前かがみになり猫背にならなくてすむのです。肩こりや背部・腰部の痛みの根本原因は、前かがみの姿勢および猫背にあるのです。なぜそうなのか、次回にお話を続けましょう。

「ホームタウン」‘08年5月23日号 掲載
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「松本清張多作の秘密(2)」

松本清張は多作で有名でした。44歳から82歳まで、一日の大半を書斎で過ごしました。それでいて、決定的な肩こりや腰痛を避けることができました。その秘密は彼の姿勢がよかったからです。前回に続き、お話します。 よい姿勢を保てた最大の理由は、彼の机が水平でなく斜めになっていたからです。その写真を前回掲げましたが、模式図にすると、おおむね下のようになります。こうなっていれば、うつむかなくても本が読めるし、原稿を書くことも可能です。それに和机ではなく洋式のイスに腰掛けていたのもよかったのです。

清張の肩こりは?

肩こりについて考えてみましょう。我々の筋肉は両端が別々の骨に付着しています。下の左図を見て下さい。背中から首にかけての筋肉は上方では頭蓋骨の後の下端に付着し、下方では肩甲骨や背骨に付着しています。前かがみになると、重い頭が前下方に落下するのを阻止するため、うしろで引っ張っていなければなりません。また、のどの筋肉は収縮して、つっかい棒の役目をして重い頭の落下を支えねばなりません。いずれにしろ、首から肩の全ての筋肉に大きな負担がかかっており、長時間たつと筋肉は硬く変質してきます。これが肩こりの本態です。姿勢が悪いと腰にも異常な『力』がかかります。いつもよい姿勢を保つよう心がけねばなりません。

「ホームタウン」‘08年6月6日号 掲載
「ホームタウン」‘08年6月6日号 掲載
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