耳の症状難聴、耳鳴り、ふらつき・めまい、突発性難聴、メニエール症、等についての解説記事をご紹介しています。 「ふらっとする感じと灸」急に振り向いた時などに、“ふらっ”とする感じを訴える方はたくさんおられます。こういう感じは気持ちの悪いことです。ことに、少し血圧が高めの人にあっては血圧と関係づけて心配される場合が多いものです。Aさんの例をみることにしましょう。 最近来院されたAさん(65歳・男性)は、血圧の変動がわりと大きく、この“ふらっ”する感じがあって、血圧がやや高いせいだろうと考えておられました。そこで、図に示すような耳のツボを押してみると強い圧痛を示しましたので、ここに八分灸をすえて耳の治療をしました。数回治療をしたところ、圧痛が消失し、それにつれて“ふらっ”とする感じもなくなりました。自動車の運転が怖かったのにその感じもなくなったと大変喜ばれました。 耳のツボに八分灸 上のAさんは典型例ですが、同様の訴えをする人は多いのです。 「ホームタウン」‘01年12月21日号 掲載
ページ上部に戻る 「耳鳴り (1)」どんな病気でも、最善の策は予防であり、次善の策は早期発見早期治療です。 その点、耳鳴りは先の事実によく当てはまります。と言うのも、早期に治療すればよく治るのに、治療開始が遅れれば遅れるほど治るのに時間がかかるからです。ですから私は、常々「予防策を講じなさい、もし耳鳴りがし始めたら、直ちにお灸をすえなさい」と勧めています。予防策については後で述べるとしましょう。 始まったらすぐお灸ところが、残念なことに、時間が相当経過してから、お灸でもすえようかと思い立つ人の多いのが実情です。耳鳴りが始まったら、直ちにお灸をすえるのが正しいのです。 なお、耳鼻科の治療や検査とお灸を同時に行っても問題ありません。 次に、耳鳴りの原因についてお話をしましょう。耳鳴りの大部分は“肩こり”が原因です。いわゆる「肩こりが耳に上った」ということです。ですから、肩こりの治療をしたうえで、耳の周囲のツボにお灸をすえます。 その他の原因の主なものとして、高血圧と脳腫瘍があります。しかし、高血圧が原因の場合、降圧剤を服用して血圧が下ったら、耳鳴りもおさまるのが普通です。また、脳腫瘍が原因の場合は極めて少なく、これ以外の原因のケースも例外と言ってよいくらいです。こんなケースは耳鳴り以外にもいろいろな症状が出現し、すぐに見当がつきます。 ところで、耳の周囲のお灸と聞いただけで尻ごみする方がありますが、「熱くない、アトのつかない、“八分灸”」では全く心配ありません。また、頭へのお灸も、髪に水をつけてすえると、髪を燃やすことはありません。具体的なツボの話は次回にします。 「ホームタウン」‘96年4月15日号 掲載
ページ上部に戻る 「耳鳴り (2)」耳鳴りほど早期治療が求められるものはありません。鳴り出したら即刻お灸をすえるべきなのです。時が経過すればするほど、治りにくくなります。こう言えば、もう相当経過した症例では、放っておくしか仕方ない、と思われるかもしれませんが、それはよくないことです。そういうケースでも軽快が見込めますし、その他に難聴になっていくのを防ぐことができます。また難聴の方も、お灸をすえると少しずつ改善する場合が多く、少なくとも難聴の悪化をくい止めることが可能です。だから、お灸をすえるべきです。お灸と言っても「熱くない、アトのつかない“八分灸”」なら怖いものではありません。 毎日10分の指圧そうは言っても、最善の策は予防することです。耳鳴りや難聴を予防するうまい方法があるのです。それは耳の周りを指圧することです。指圧といっても、単に指で押すだけではあまり効果がありません。一番よいのは図に示す専用の器具を用いることです。これは私の主宰する「お灸指圧教室」教材ですが、一般の方にもお電話下されば郵送しています。代用品として先の丸い鉛筆を使用することもできます。 さて、指圧部位ですが、右図の(1)から(7)までです。(1)〜(3)はヒフ上であり、(4)〜(7)は髪の中になります。(1)〜(3)のヒフに直接指圧する場合はグリグリと、こねまわすように指圧します。(4)〜(7)の髪の中は、少し力を込めて上下、あるいは前後にスライドするように、あるいはひっかくようにします。これを毎日10分間ぐらい実行します。 「ホームタウン」‘96年4月25日号 掲載
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